ィル・グージャールとシルヴァン・コーンとは、ベレアスとメリザンド[#「ベレアスとメリザンド」に傍点]を聞かせるために、クリストフをオペラ・コミック座へ連れていった。二人は彼にその作を示すのを非常な光栄としていた。あたかも自分で作ったかのようだった。それを聞いたら彼が心機一転するかもしれない、などと吹聴《ふいちょう》していた。劇が始まっても二人はなお吹聴をやめなかった。クリストフは二人を黙らして、耳を澄《す》まして聴《き》いた。第一幕が済むと、彼はシルヴァン・コーンの方へ身を乗り出した。コーンは眼を輝かしながら彼に尋ねたのであった。
「おい、気むずかしや、どうだい?」
彼は言った。
「ずっとこんな調子なのか。」
「そうだ。」
「じゃあ、からっぽだね。」
コーンは反対して、彼を俗物だとした。
「まったくからっぽだ。」とクリストフは言いつづけた。「少しも音楽がない。発展がない。連絡がない。支離滅裂だ。ごく繊細な和声《ハーモニー》はある。ごく巧みなごくよい趣味の管弦楽から来る、小さな効果はある。しかしそんなのは、くだらないものだ、まったくくだらないものだ……。」
彼はまた聴き始めた。する
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