一枚裂き取った。
 彼は書いた。

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 お母さん許してください。たいへんな御心配をかけることになりました。他に仕方もなかったのです。私は少しも間違ったことをしたのではありません。けれども今、逃げ出して国を去らなければなりません。この手紙をお届けする人が、すっかり申し上げますでしょう。私はお別れの言葉を親しく申したかったのです。しかし皆が承知しません。その前に捕えられるだろうと言います。私はほんとに悲しくて、もう意志の力もありません。私はこれから国境を越えます。けれども、お手紙をいただくまではすぐ近くにとどまっています。私の手紙をお届けする人が、御返事を私にもって来てくれますでしょう。私がどうすべきかおっしゃってください。何をおっしゃろうとも、そのとおりにいたします。私のもどるのがお望みでしたら、もどって来いとおっしゃってください。あなたを一人残すことは、考えてもたまりません。あなたはどうして暮らしてゆかれるでしょうか。許してください。許してくださいませ。私はあなたを愛してそして抱擁いたします……。
[#ここで字下げ終わり]

「早くしましょう、旦那。そうでないと間
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