日は過ぎ去っていった。クリストフとルイザとはほとんど口をきかなかった。たがいに愛し合っていたこの二人は、いっしょに過ごす最後の日々をできるだけ味わいつくそうともしないで、多くの愛情をも埋没せしむる無益な不機嫌《ふきげん》のうちに、残ってる時間を失っていった――世にはしばしばそういう例がある。二人は食卓で顔を合わせるばかりだった。しかも、たがいに向かい合ってすわりながら、眼を見合わせもせず、言葉を交えもせず、幾口かを無理に食べるだけで、それも食べるためではなく、むしろ体裁を保つための方が多かった。クリストフは辛《かろ》うじて、喉《のど》から二、三言しぼり出すこともあった。しかしルイザは返辞をしなかった。そしてこんどは彼女の方で口をきいてみると、彼の方で口をつぐんでしまった。かかる状態は二人には堪えられなかった。そしてそれが長引けば長引くほど、それから脱するのがますます困難になった。このままで二人は別れるのであろうか? ルイザは今となって、自分が不正で拙劣だったことを認めた。しかし彼女はあまりに苦しんでいたので、失ってしまったように思われる息子《むすこ》の心を、どうして取りもどしてい
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