ぼうぜん》として、なんの冗談かと怪しんだ。しかしその盲目の娘と野菜を選り分けてる女とを、代わる代わる見比べたあとには、それも驚くに当たらないことを知った。二人の女は、どこから来たか、どこを通って来たかなどと、親しくクリストフに問いかけた。盲目娘はやや大袈裟《おおげさ》にはしゃいで、話に口を出していた。道路や野に関するクリストフの観察を、承認したり注釈したりした。もとより彼女の言葉はしばしば的をはずれていた。彼女は彼と同様によく眼が見えると思い込みたがってるらしかった。
 家族の他の人たちが帰ってきた。三十歳ばかりの頑丈《がんじょう》な農夫とその若い妻とだった。クリストフは皆と代わる代わる話した。そして晴れゆく空をながめながら、出かける時を待っていた。盲目娘は編み物の針を運びながら、ある唄《うた》の節《ふし》を小声で歌っていた。その節は、クリストフに種々の古い事柄を思い起こさした。
「おや、あなたもそれを知ってるんですか。」と彼は言った。
(ゴットフリートがクリストフにそれを昔教えたのであった。)
 彼は続きを低く歌った。若い娘は笑いだした。彼女は唄の前半を歌い、彼は愉快にそのあとを終わ
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