た、クリストフが四等車から降りて来ようとは、思いもつかなかった。彼はなお三十分以上も停車場に残って、クリストフを待ってみた。クリストフはもうだいぶ前に到着して、まっすぐに彼の家を訪れて行ったのだった。さらに間《ま》の悪いことには、ザロメが買い物に出かけたところだった。クリストフが行くと門が閉《し》まっていた。ザロメは隣りの人に、だれかが来たらすぐに帰ると言ってくれるようにとだけ頼んでおいたので、隣人はそれだけを伝えて何にも言い添えなかった。クリストフは、ザロメに会いに来たのでもなければ、ザロメとは何者であるかをも知らなかったので、冗談にも程があると思った。大学音楽会長のシュルツ氏はこの地にいないのかと、彼は尋ねた。いるという答えだったが、どこへ行ってるのかわからなかった。彼は怒って立ち去った。
 シュルツ老人は、がっかりした顔つきでもどってき、同じくもどったばかりのザロメから、事情を聞いた時には、途方にくれてしまった。泣き出さんばかりになった。自分の不在中に出かけて、クリストフを待たしておくだけの取り計らいさえしないでいる、召使の馬鹿さ加減を憤った。ザロメも同じ怒った調子で、待ってる人
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