いつもの癇癪《かんしゃく》まぎれな不機嫌《ふきげん》の発作にすぎなかった。彼はそれを償おうと考えて、オペラ歌劇の切符とともに閉場後会おうという約束をクリストフに書き送った。――クリストフはそれを少しも知らなかった。ハスレルは彼がやって来ないのを見てこう思った。
「怒ってるな。気の毒だな。」
 彼は肩をそびやかした。そしてさらに求めようともしなかった。翌日になるともう念頭にもなかった。翌日には、クリストフは彼から遠くにいた――いかに永遠をかけてもふたたびたがいに近寄ることがないほど遠くに。そして二人は永久に別れてしまった。

 ペーテル・シュルツは七十五歳だった。いつも身体が弱くて、かつ老衰していた。かなりの身長だったが、背は曲がり、頭は胸にたれ、気管支は弱く、呼吸が困難だった。喘息《ぜんそく》やカタルや気管支炎がついてまわった。そして必然の苦闘の跡が――幾晩も寝床にすわって、身体を前にかがめ、汗にまみれて、つまった胸に一息の空気を吸い込もうと骨折ることがあった――その痩《や》せた無髯《むぜん》の長い顔の痛ましい皺《しわ》の中に刻まれていた。鼻は長くて、その先が少し太くなっていた。幾筋か
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