。それは呼吸せんがための最後の努力であった。

 ハスレルは有名になっていた。敵はなお武器を捨てていなかったが、しかし味方の者らは、彼こそ現在過去未来を通じての最大の音楽家だと唱えていた。彼は愚蒙《ぐもう》な追従者らにとりまかれ、また、同じく愚蒙な誹謗《ひぼう》者らにとりまかれていた。彼は強い性格でなかったから、誹謗者らのためにいらだちやすくなされ、味方のために柔惰になされていた。彼はありたけの気力を使って、非難者らを不快がらせ叫ばせようとした。彼は悪戯《いたずら》を事とする不良児に似ていた。そしてその悪戯も、最も厭味《いやみ》なものであることが多かった。彼はただに、正統派らを激怒せしむるような奇異な作曲に、その妙才を用いたばかりではなく、また、風変わりな歌詞にたいして、奇怪な主題にたいして、あるいはしばしば曖昧《あいまい》卑猥《ひわい》な情景にたいして、すなわち一言にしていえば、すべて普通の良識と謹直とを傷つけるようなものにたいして、意地悪い嗜好《しこう》を示していた。中流人士らが喚《わめ》くと彼は満足していた。そして中流人士らは欠かさず喚いていた。成り上がり者や王侯に見るような横柄
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