ても構わないのかしら。ちょうど……(ごめんなさい、怒《おこ》っちゃいやよ)……ちょうど渡し舟でも呼ぶようだわ。」
彼は怒らなかった。心から笑っていた。そして多少当たってることを認めた。彼はそういう意見を面白がった。だれからもまだそんなことを言われたことがなかった。結局、朗吟法は拡大鏡のように自然の言葉を害《そこな》うことが最も多いというのに、二人は一致した。コリーヌは、ある戯曲の音楽を書いてくれと、クリストフに頼んだ。その芝居で彼女は、時々ある文句を歌いながら管弦楽《オーケストラ》の伴奏に合わして語りたいのだった。彼はその考えに夢中になった。舞台上の実現は困難であったが、コリーヌの音楽的な声なら、それに打ち勝ち得るように考えられた。そして二人は、未来の計画をたてた。
彼らが出かけようと思いついた時には、もう五時近くなっていた。この季節には日の暮れるのが早かった。もはや散歩どころではなかった。その晩コリーヌには、劇場で下|稽古《げいこ》があった。それにはだれも列席することができなかった。予定の散歩をするため明日の午後誘いに来ることを、彼女は彼に約束さした。
翌日も、も少しで同じ場
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