でしょうね。」と彼は尋ねた。
彼は戯れのつもりだったが、しかし図星をさした。
「ええ、それはもう、」と彼女は彼がびっくりしたほど真実な調子で言った、「どんなにかうれしいことですわ。こちらでは、私は息苦しい気がしますの。」
彼はこんどはなおよく彼女をながめた。彼女は軽く両手を震わせ、胸苦しいようなふうだった。しかし彼女はすぐに、今の自分の言葉のうちには、あるいは相手の気色を害するものがあるかもしれないことを、思いついた。
「あら、ごめんください、」と彼女は言った、「自分でもなんだかわからないことを申しまして。」
彼は淡白にうち笑った。
「あやまることがあるものですか。まったくおっしゃるとおりです。何もフランス人でなくっても、こちらでは息がつまりそうです。うっふ……。」
彼は空気を吸い込みながら肩をそびやかした。
しかし彼女は、そういうふうに考えをうち明けたのがきまり悪くなって、それきり口をつぐんでしまった。そのうえ彼女は隣り桟敷の人々がこちらの会話をうかがってるのに気づいていた。彼もまたそのことに気づいて腹をたてた。そして二人は話をやめた。彼は幕間《まくあい》が終わるのを待ちな
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