のを、憤っていた。その無遠慮な好奇心は、彼よりも連れの女にいっそう向けられており、しかもいっそう厚かましく向けられてることを、彼は考えなかった。そして、他人がどんなことを言いどんなことを考えようと、まったく平気だという様子を示すために、そばの女の方に身をかがめて、話を始めた。彼女は彼から話しかけられるのを非常に恐れてるらしく、また彼に答えなければならないのを非常に困ってるらしく、彼の方を見もしないで、「はい」とか「いいえ」とか言うのもようやくのことだったので、彼は彼女の世慣れないのを憐《あわ》れに思い、また自分の片隅《かたすみ》に引き込んでしまった。が幸いにも、芝居が始まった。
 クリストフは番付を読んでいなかったし、またその名女優がどんな役をするか知りたくも思っていなかった。彼は役者を見にではなく芝居を見に来るという正直者の一人だった。あの名高い女優がオフェリアになるか女王になるか、そんなことを彼は考えなかった。もし考えてみたら、両者の年齢から見て、女王になる方を賛成したろう。しかし彼が思いもつかなかったことには、女優はハムレットの役をした。彼はハムレットを見た時、その機械人形めいた
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