冒すことにはならなかった。しかし彼の勝利は、自由に承認されたというよりもむしろ、無理|強《じ》いに課せられたものであった。そして多数の者は、心の底では頑固に保守的であって、この町のように、近代の大潮流からやや遠ざかって、古代の評判を誇りとしてる小都市では、ことにそうであった。あらゆる新しきものにたいする、ドイツ民衆に先天的な不信の念、数多の時代によってまだよく咀嚼《そしゃく》されていない何か真実な強健なものにたいする、感受性の一種の怠惰さが、他のどこよりもかかる小都市にいっそうはなはだしかった。その明らかな例としては、ワグナー的精神に鼓吹せられたあらゆる新しい作品が――もうあえて非議できないワグナーの作品は別として――ことごとく冷遇されていた。それゆえワグナー協会がなすべき有益な務めは、芸術の若々しい独創的な力を真面目《まじめ》に擁護することであった。時々それが実際になされていた。そしてブルクナーやフーゴー・ヴォルフは、それらの協会のある物のうちに、自分の最良の味方を見出した。しかしあまりにしばしば、師の利己主義が弟子どもを圧迫していた。バイロイトがただ一人の者を恐ろしく光栄あらしむる
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