うものが彼の愛情につけ加わっていた。彼は寂しげにアーダの美しい顔をながめた。アーダは彼の方を少しも見ないようなふうを装って、他の者と笑い戯れていた。その顔は多くのなつかしい思い出を彼のうちに呼び起こさせた。そのあでやかな顔は、時々――(この時もそうだったが)――多くの温良さといかにも純潔な微笑とを浮かべることさえあって、そんな時クリストフは、なぜ二人の間がもっとうまくゆかないのか、なぜ二人は自分たちの幸福を好んで害しているのか、なぜ彼女は輝かしい時間を忘れようとつとめ、自分のうちにもってる善良な正直なものと背馳《はいち》しようとつとめているのか、それを怪しむのであった。――二人の愛情の清らかさを、たとい頭の中においてにしろ、濁らしたりよごしたりして、いかなる不思議な満足を彼女は見出してるのか? クリストフは自分の愛するものを信じたくてたまらなかった。そしてさらにも一度みずから幻を描こうとつとめた。彼は自分の方が正しくないとみずからとがめ、自分に寛大な心が欠けてることを後悔していた。
彼はアーダに近寄った。話しかけようとつとめた。が彼女はただ二、三言冷やかな言葉を返すきりだった。少しも
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