よ! おれを馬鹿にするなよ!……」
そして突然クリストフは、死者の寝床に横たわってる自分自身を見た。それらの恐ろしい言葉が自分の口から出るのを聞いた。空しく失われた償いがたい生涯の絶望の念が、自分の心に重くのしかかってくるのを感じた。そして彼は駭然《がいぜん》として考えた。「ああ、かくなり果てるよりもむしろ、あらゆる苦悶、あらゆる悲惨の方が!」……いかほど彼はそうなり果てようとしたことだろう。卑怯《ひきょう》にも苦しみをのがれるために、生命を断つの誘惑に危く従おうとしたではないか。あたかも、あらゆる苦しみ、あらゆる裏切りは、おのれを裏切りおのれの信念を否定し死しておのれを蔑《さげす》むという最大の苦悶と罪悪とに比べても、なお子供らしい心痛ではないとでも思っていたかのように!
人生は容赦なき不断の争闘であって、一個の人間たる名に恥ずかしからぬ者となることを欲する者は、眼に見えない数多《あまた》の敵軍、自然の害力や、濁れる欲望や、暗い思考など、すべて人を欺いて卑しくなし滅びさせようとするところのものと、たえず闘わなければならないということを、彼は知った。自分はまさに罠《わな》にかかると
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