った後、彼はまた言い出した。
「俺がいろんなことを聞いてるのに、お前が一向返事もしねえのはもっともだ。予審のいやな十五、六分間の下稽古だからな。それに、口をききさえしなけりゃあ、あまり大きな声を出しゃしねえかという心配もねえわけだからな。だがどっちみち同じことだ。お前の顔もよく見えねえし、お前の名も知らねえからといって、お前がどんな人間でどんなことをするつもりか、俺にわからねえと思っちゃまちがえだぜ。よくわかってらあね。お前はその男をばらして、今どこかに押し込むつもりだろう。お前には川がいるんだ。川ってものはばかなことをすっかり隠してしまうものだからな。困るなら俺が救ってやらあ。正直者の難儀を助けるなあ、ちょうど俺のはまり役だ。」
ジャン・ヴァルジャンが黙ってるのを彼は一方に承認しながらも、明らかに口をきかせようとつとめていた。彼は横顔でも見ようとするように、相手の肩を押した。そしてやはり中声をしたまま叫んだ。
「泥孔と言やあ、お前はどうかしてるね。なぜあそこにほうり込んでこなかったんだ?」
ジャン・ヴァルジャンは黙っていた。
テナルディエは襟飾《えりかざ》りとしてるぼろ布を喉仏
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