ってるように、しばらくじろじろながめ合った。テナルディエが先に沈黙を破った。
「お前はどうして出るつもりだ。」
ジャン・ヴァルジャンは返事をしなかった。
テナルディエは続けて言った。
「扉《とびら》をこじあけることはできねえ。だがここから出なけりゃならねえんだろう。」
「そのとおりだ。」とジャン・ヴァルジャンは言った。
「じゃあ山分けだ。」
「いったい何のことだ?」
「お前はその男をやっつけたんだろう。よろしい。ところで俺《おれ》の方に鍵《かぎ》があるんだ。」
テナルディエはマリユスをさし示した。彼は続けて言った。
「俺はお前を知らねえ、だが少し手伝おうというんだ。おだやかに話をつけようじゃねえか。」
ジャン・ヴァルジャンは了解しはじめた。テナルディエは彼を人殺しだと思ってるのだった。テナルディエはまた言った。
「まあ聞けよ、お前はそいつの懐中を見届けずにやっつけたんじゃあるめえ。半分|俺《おれ》によこせ。扉を開いてやらあね。」
そして穴だらけの上衣の下から大きな鍵《かぎ》を半ば引き出しながら、彼は言い添えた。
「自由な身になる鍵がどんなものか、見てえなら見せてやる。これだ。
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