であり、修道女は罪を犯すことのない者であった。それはいずれも、真実を通す時のほかは決して開かぬただ一つの扉でこの世と通じてる魂であった。
修道女を認めて、彼の第一の動作は引き退《さが》ろうとすることだった。
けれどもまた、彼を捕え彼を反対の方向に厳として押し進めるも一つの義務があった。そして彼の第二の動作は、そこに立ち止まり、少なくとも一つの問いをかけてみることだった。
しかもそれは生涯に一度も嘘《うそ》を言ったことのないサンプリス修道女だった。ジャヴェルはそれを知っていた、そして特にそのために彼女を尊敬していた。
「童貞さん、」と彼は言った、「この室にはあなた一人ですか。」
恐ろしい一瞬間があった。あわれな門番の婆さんは気が遠くなるような心地がした。
修道女は目をあげて、そして答えた。
「はい。」
「だが、」とジャヴェルは言った、「しつこく言うのをお許し下さい、私の義務ですから。あなたは今晩、だれか、一人の男を見かけませんでしたか。その男が逃走したのでさがしているところです。あのジャン・ヴァルジャンという男です。あなたはその男を見かけませんでしたか。」
修道女は答えた。「
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