烈な内心を知っている者にとっては、彼が心内のある大変化を経たことを明らかに見て取り得られたであろう。ジャヴェルはいつも心にあることはすぐに顔にも現わした。彼は荒々しい気質の人のようにすぐに説を変えた。が、この時ほど彼の顔付きは不思議な意外な様をしていることはかつてなかった。室にはいって来るや、何らの怨恨《えんこん》も憤りも軽侮も含まない目付きで、マドレーヌ氏の前に身をかがめ、それから市長の肱掛椅子《ひじかけいす》の後ろ数歩の所に立ち止まったのだった。そして今彼は規律正しい態度をし、かつて柔和を知らない常に堅忍な人のような素朴な冷ややかな剛直さをもって、そこに直立していたのである。彼は一言も発せず、何らの身振りもせず、真の卑下と平静な忍従とのうちに、市長がふり向くのを待っていた。そして落ち着いたまじめな様子をして、手に帽子を持ち、目を伏せ、隊長の前に出た兵士と裁判官の前に出た罪人との中間な表情を浮かべていた。彼が持っていたと思われるあらゆる感情や記憶は消え失せてしまっていた。その花崗石のごとき単純でしかも測り難い顔の上には、ただ憂鬱《ゆううつ》な悲しみのほかは何も見られなかった。彼のすべ
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