ての様子は、屈従と決意と一種の雄々しい銷沈《しょうちん》とを示していた。
ついに市長はペンを擱《お》いて、半ばふり返った。
「さて、何ですか、どうかしたのですか、ジャヴェル君。」
ジャヴェルは何か考え込んでいるかのようにちょっと黙っていたが、やがてなお率直さを失わない悲しげな荘重さをもって声を立てて言った。
「はい、市長殿、有罪な行為がなされたのです。」
「どういうことです?」
「下級の一役人が重大な仕方である行政官に敬意を失しました。私は自分の義務としてその事実を報告に参ったのです。」
「その役人というのはいったいだれです。」とマドレーヌ氏は尋ねた。
「私です。」とジェヴェルは言った。
「君ですって。」
「私です。」
「そしてその役人に不満なはずの行政官というのはだれです。」
「市長殿、あなたです。」
マドレーヌ氏は椅子の上に身を起こした。ジャヴェルはなお目を伏せながらまじめに続けた。
「市長殿、私の免職を当局に申し立てられんことをお願いに上がったのです。」
マドレーヌ氏は驚いて何か言おうとした。ジャヴェルはそれをさえぎった。
「あなたは私の方から辞職すべきだとおっしゃるでし
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