ていた。その二つの鬚の森と二つの小鼻の洞穴とを見る者は、初めはだれもある不安を感ずるのであった。ジャヴェルは笑うことがごくまれであったが、その笑いは恐ろしく、薄い脣《くちびる》が開いて、ただに歯のみではなく歯齦《はぐき》までも現わし、野獣の鼻面にあるような平たい荒々しいしわが鼻のまわりにできた。まじめな顔をしている時はブルドッグのようであり、笑う時は虎のようだった。その上頭が小さく、頤《あご》が大きく、髪の毛は額を蔽《おお》うて眉毛の上までたれ、両眼の間のまん中に絶えず憤怒の兆のような、しかめた線があり、目付きは薄気味が悪く、口は緊《きっ》と引きしまって恐ろしく、その様子には強猛な威力があった。
この男は、きわめて単純で比較的善良ではあるが誇張せられるためにほとんど悪くなっている二つの感情でできていた。すなわち、主権に対する尊敬と、反逆に対する憎悪と。そして彼の目には、窃盗、殺害、すべての罪悪は、ただ反逆の変形にすぎなかった。上は総理大臣より下は田野の番人に至るまでおよそ国家に職務を有する者を皆、盲目的な深い一種の信用のうちに包み込んで見ていた。一度法を犯して罪悪の方に踏み込んだ者を
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