は大きくなって他の狼の子を食いつくしてしまうからである。
その狼の子の犬に人間の顔を与えれば、それがすなわちジャヴェルである。
ジャヴェルは骨牌占《カルタうらな》いの女から牢獄の中で生まれた。女の夫は徒刑場にはいっていた。ジャヴェルは大きくなるに従って、自分が社会の外にいることを考え、社会のうちに帰ってゆくことを絶望した。社会は二種類の人間をその外に厳重に追い出していることを彼は認めた、すなわち社会を攻撃する人々と、社会を護る人々とを。彼はその二つのいずれかを選ぶのほかはなかった。同時にまた彼は、厳格、規律、清廉などの一種の根が自分のうちにあることを感じ、それとともに自分の属している浮浪階級に対する言い難い憎悪を感じた。彼は警察にはいった。
彼はその方面で成功した。四十歳の時には警視になっていた。
彼は青年時代には南部地方の監獄に雇われていたこともあった。
さてこれ以上に言を進める前に、先にジャヴェルについて言った人間の顔ということを説明してみよう。
ジャヴェルの人間の顔というのは、平べったい一つの鼻と、深い二つの鼻孔と、鼻孔の方へ頬の上を上っている大きな鬚《ひげ》とででき
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