人の鎖を天使のぶらんこにしたその偶然の思いつきほど人の心をひくものはなかった。
 二人の子供を揺すりながら、母親は当時名高い恋歌を調子はずれの声で低く歌っていた。

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余儀なし、と勇士は言いぬ……
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 歌を歌いまた子供たちを見守っていたために、彼女には往来で起こってることが聞こえも見えもしなかった。
 けれども、彼女がその恋歌の初めの一連を初めた時には、だれかが彼女のそばにきていた。そして突然彼女は自分の耳のすぐそばに人の声をきいた。
「まあかわいいお児さんたちでございますね。」

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美しく優しきイモジーヌへ。
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と母親はなお歌い続けながらその声に答えて、それからふり向いてみた。
 一人の女がすぐ数歩前の所にいた。その女もまた一人の子供を腕に抱いていた。
 女はなおその外に、重そうに見えるかなり大きな手鞄《てかばん》を持っていた。
 その女の子供は、おそらくこの世で見らるる最も聖《きよ》い姿をしたものの一つであった。二歳《ふたつ》か三歳《みっつ》の女の児だった。服装《みなり》のきれいなことも
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