、「蛞蝓《なめくじ》が道にはっている[#「が道にはっている」に傍点]、雨の降るしるしだわ[#「雨の降るしるしだわ」に傍点]、」と言ったのだったが。
 四人とも非常にきれいであった。当時有名なクラシックの老詩人であり、一人のエレオノールを持っていた好人物である、ラブーイスの騎士という男が、その日サン・クルーのマロニエの木の下を逍遙《しょうよう》していると、朝の十時ごろ彼らが通るのを見かけた、そして三女神カリテスのことを思い出して叫んだ、「一人多すぎる[#「一人多すぎる」に傍点]。」ブラシュヴェルの情婦で二十三になる年増《としま》のファヴォリットは、緑の大きな枝下にかけ入り、溝《みぞ》を飛び越え、むやみに茂みをまたぎ、若い野の女神のようなはしゃぎ方で一行の浮かれ心を引き立てた。ゼフィーヌとダーリアとは、互いに相俟《あいま》ってその美しさを輝かし完《まっと》うする人がらだったので、友情からというよりもむしろ嬌艶《きょうえん》の本能から決して離れないで、互いに寄り合ってイギリスふうの態度を取っていた。イギリス年刊文学集が出だした頃のことで、後にバイロンふうが男を風靡《ふうび》したように憂鬱《ゆ
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