の朝飯が出ているのに、その金目《かねめ》のためにこそ、却ってそれがなんにもならないものになっているのです。これでは、本当にその重さだけの金《きん》の値打があるような御馳走を前にしたマイダス王よりも、パン屑と水とですましているような、この上もなく貧乏な労働者の方が、ずっと暮向《くらしむき》がいいということになるわけです。じゃ、どうすればいいんでしょう? 朝飯の時に、もうマイダスは大変お腹《なか》がすいていました。昼御飯までにそれ以上お腹《なか》がすかないわけはありません。すると、晩御飯の時にでもなったら、どんなにがつがつして来るか分りません。しかも、晩御飯とても、きっと今目の前にあるのと同じような不消化な御馳走に違いありません! こうして、金づくめの贅沢な御馳走つづきで、彼が幾日生きて行けると君達は思いますか?
 こんなことをいろいろと考えて見ると、さすが欲馬鹿のマイダス王も、心配になって来て、果してお金《かね》さえあればほかになんにも要らないで通せるものかどうか、又いろいろとほしい物のうちでお金が第一のものかどうかさえも疑わしくなって来ました。しかしこんなことは、ちょっと考えて見ただけ
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