が是非ほしいのだが、メヅサの首ほど姫の気に召すものは外にないのじゃから。』
『はい、おそれながら、』とパーシウスは、落着いて、メヅサ退治くらいは彼ほどの若者にとっては別に大して驚くほどのことでもないといった風に答えました。『私はメヅサの首を、蛇の髪も何もついたままそっくり持参いたしました!』
『それは本当か! どれどれ見せなさい、』とポリデクティーズ王は言いました。『もしも旅人達の言うことがみんな本当だとしたら、それはまことに珍らしい見ものに違いない!』
『仰せの通りにございます、』とパーシウスは答えました。『それは本当に、誰でも一ぺん見たら、もうその方に目を吸いつけられてしまうことは、ほぼ間違いのないものでございます。そして、もしも陛下さえよろしいとお思召すならば、休日をおふれだしになり、陛下の人民を全部お呼び集めになりまして、このすばらしい珍品をお見せ遊ばしてはいかがでございましょう。私が思いまするに、ゴーゴンの首を今までに見た者も、またおそらくこの先二度と見る者もあまりございますまいから!』
王様は彼の人民が、どうにもならないような怠け者の集まりで、そうした連中の常として、たい
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