いいと思う。』
そして、フィリーモンには、ちょうどその時、夕焼雲が西の空から輝かしい光を発して、空が急にぱっと明るくなったような気がしました。
ボーシスはやっと夕飯の支度が出来たので、戸口のところへ出て来て、どうも大変つまらないものしかお客様達に差上げられないけれどもと、ことわりを言いはじめました。
『もしもあなた方がおいでなさることが分っていたら、』とばあさんは言いました、『じいさんとわたしとは、なんにも食べないでも、もっといい夕飯を差上げるのでしたに。しかしわたしは、今日の牛乳は大方チーズをこしらえるのに使ってしまったし、残っていたパンも半分たべてしまったところでした。ほんとにまあ! 平常《ふだん》はなんとも思いませんが、こうしてお気の毒な旅の方《かた》が、立寄って来られた時ばかりは、貧乏が悲しくなりますわい。』
『万事うまく行きますよ。心配無用だ、おばあさん、』と年上の旅の人は、やさしく言いました。『本当に、心から、客を喜んで迎えれば、食べ物や飲み物に奇蹟が起って、どんな粗末なものでも、神の酒となり神の食物となり得《う》るのです。』
『それは喜んでお迎え申しますよ、』ボーシス
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