、樫の木が生え出して、大きく、高くなり、年月を経て枯れて行って、またそのあとのが生えて、最初のと同じくらい高く、立派になっていました。これほどきれいな、これほどみのりのよい谷は、またとありませんでした。こうして、あたりのものすべてが豊かであるということを見ただけでも、そこに住む人々は、やさしく、親切になって、他人をよくしてあげることによって、すすんで神の御心に対する感謝をあらわすべき筈でした。
 しかし、困ったことには、この美しい村の人達は、神様がこれほどやさしく、いつくしみを垂れた場所で暮らす値打はありませんでした。彼等は大変|身勝手《みがって》な、薄情な人達で、貧乏な人達を憐れみもしなければ、家のない人達に同情もしませんでした。彼等は誰かが、人間というものは、神様から受けた愛と保護との御恩を、ほかに返しようがないから、人間同志お互に愛し合うようにしなければならないと教えても、ただあざ笑ったでしょう。僕がこれから君達に話そうとすることを、君達はほとんど本当にしないかも知れません。これらの悪い人達は、彼等の子供達を彼等よりもいい人になるように教えないばかりか、小さな男の子や女の子が、ど
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