きなものに化ける力を持っていたということです。彼がハーキュリーズにそんなに手荒くつかまえられていたと知った時、その魔力でいろんなものに化けて、彼をおどかし、こわがらせて、さっさと手を放させてやろうと思ったのでした。もしもハーキュリーズが手をゆるめていたならば、「老人《オウルド・ワン》」はきっと海の底へもぐり込んでしまって、一旦そこへはいってしまったとなると、ぶしつけな質問などに答えるためにわざわざ浮き上って来てくれるなんてことは、なかなか無かったでしょう。百人のうちの九十九人までは、僕が思うのに、彼が最初いやなものに化けた時に、もうすっかりたまげてしまって、早速逃げ出したことでしょう。というのは、本当の危険と、ただ危険そうに見えるだけのものとを見分けるということは、この世の中で一番むずかしいことの一つですから。
 しかし、ハーキュリーズがどうしても手をはなさず、「老人《オウルド・ワン》」がいろんなものに化ける度《たび》によけいに強く締めつけて来て、本当に随分痛い思いをさせられたので、彼もとうとう、もとの自分の姿になるのが一番いいと思いました。そこで彼は再び、さかなみたいで、うろこがあっ
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