てるじゃありませんか!』と娘の一人が答えました。『彼には五十人も娘があって、その娘達は大変美人だといってる人もあります。しかしあたし達は、その娘と知合いになることはよくないと思っています。なぜって、その人達は、海のように青い髪の毛をして、からだがおさかなみたいにすぼまっているんですもの。とにかく、あなたはこの「海の老人」と話をしなくてはなりません。彼は船乗り稼業《かぎょう》をしていて、ヘスペリディーズの庭のことは、なんでも知っています。というのは、その庭は、彼がいつも出かけて行く島にあるのですから。』
 そこでハーキュリーズは、どの辺へ行けば、一番その「老人《オウルド・ワン》」に会えそうかと訊きました。そして娘達がそれを教えてくれた時、彼はパンや葡萄を御馳走になったことや、美しい花をかぶらせてもらったことや、歌や踊りでほめてもらったことなど、一々礼を述べ、とりわけ、本当の道を教えてくれたことに対して娘達に感謝して、すぐに旅に出ました。
 しかし、彼がまだ声が届かないほど遠くへ行かないうちに、娘の一人が、うしろから彼に呼びかけました。
『「老人《オウルド・ワン》」に出会ったら、彼をぎゅっ
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