は、箱に何がはいっているかと想像して見ることは、実際きりのない仕事でしたから。本当に、何がはいっているんでしょう? 仮に、家の中に大きな箱があったとして、そんな気がするのも、無理はないことだが、クリスマスかお正月にいただく何か新しい、きれいな物がはいっているらしいとなると、どんなに君達は夢中になっていろいろと頭の中で考えて見るか、まあ君達、想像してごらんなさい。君達はパンドーラみたいにそれを知りたがりはしないと思いますか? もしその箱と一しょに、一人きりでおいておかれたら、ちょっと蓋をあけて見たくなったりしないでしょうか? しかし君達はそんなことはしないでしょうね。おう、馬鹿な。とんでもないことだ! ただ、もしも君達がその中におもちゃがはいっていると思ったら、ちょっと一目《ひとめ》のぞいてみる機会をのがすのは大変つらいことでしょう! 僕はパンドーラが、おもちゃなんかをあてにしていたかどうかは知りません。というのは、子供達が住んでいた世界そのものが、一つの大きな遊び道具だったその頃には、まだおもちゃなどは一つも出来ていなかったでしょうから。しかしパンドーラは、その箱の中に何か大変美しい、
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