値打のあるものがはいっているにちがいないと思いました。だから彼女は、ここで僕の話を聞いている小さな女の子たちの誰にも負けないくらいに、ちょっとのぞいて見たくてならない気がしました。いや、どうかすると、もちっとよけいにそんな気がしたかも知れません。しかし、きっとそうだとは僕も言い切れないが。
それにしても、僕達がこうして長いことお話をして来た、この日はまた特別に、彼女の好奇心がいつもより強くなって来て、とうとうその箱に近づいて行きました。彼女は、もし出来たら、その箱をあけてみようと、大方決心していました。どうも、しようのないパンドーラですね!
しかし、最初に、彼女はその箱を持ち上げてみました。それは重かった、パンドーラのような弱い力の子にとっては、まるで重すぎました。彼女はその片端を床から何インチか持ち上げましたが、かなり大きな、どしんという音をたてて、またそれをおろしました。すぐそのあとで、彼女は何だか箱の中でごそごそと動く音がしたように思いました。彼女は出来るだけぴったりと耳をあてて、聴きました。たしかに、中で、何だかぼそぼそとつぶやいているような気がします! それとも、ただ彼女
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