を活動させるために、そんなことをするのだそうだった。
『まあ、まあ、君達、』と、そんな予備運動の後《のち》、彼は言った、『みんなもそんなに言うんだし、プリムロウズも熱心に希望しているんだから、何とかやって見ることにしよう。そして、こんな吹雪なんてものがまだなかった時代には、どんなに楽しい時があったかということを君達に知ってもらうために、この世界がスウィート・ファーンの真新しい唸独楽《うなりごま》みたいに新品のぱりぱりだった古い昔のうちでも一番大昔のお話をしましょう。その時代には一年に一つの季節しかなく、それがまたうれしい夏だけでした。それから、人間の年齢にも一種類しかなく、子供ばかりでした。』
『そんな話今まで聞いたことがないわ、』とプリムロウズが言った。
『勿論、そうだろう、』とユースタスは答えた。『僕のほかには誰も考えたこともないような話でね、――子供の楽園の話だけど――ちょうどこのプリムロウズみたいな、小さないたずらっ児がいけなかった為めに、それがめちゃめちゃになってしまうというわけなんだ。』
そこでユースタス・ブライトは、今その上を跳び越えて見せたばかりの椅子に坐って、カウス
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