ど!』
『どんなことか聞き度《た》いもんだね、』とユースタスは言った。
『だって、』とペリウィンクルは答えた、『あたし左の人さし指で、この辺の金色になった木の葉をみんなさわって、すっかりもとの緑にして見たいんですもの。そしたら、いやな冬なんかその間になくて、すぐまた夏になるでしょ。』
『おう、ペリウィンクル!』ユースタス・ブライトは叫んだ、『そりゃ君間違っているよ、そしていろいろ困ったことが出来るよ。僕がもしマイダスだったら、今日のような金色の秋の日を幾度でも繰り返して、一年中つづくようにするほかは、なんにもしたくないね。僕のいい考えは、いつもあとになって浮かぶんでね。僕はどうして、マイダス王が年取ってからアメリカへ来て見て、ほかの国に見るような陰気な秋を、この辺のような輝くばかりの美しい姿に変えたということにしなかったんだろう? つまり彼が自然という大きな書物の頁《ページ》を金色に塗り上げたという風にね。』
『ユースタスにいさん、』とスウィート・ファーンが言った。彼は可愛い小さな男の子で、巨人《ヂャイアント》の身の丈《たけ》は正確にいうといくらあったかとか、妖精《フェアリ》が小さいと
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