なものを持っていて、その人の手にかかったら、どんなものでも退屈で、面白くなくなるってこともあるわねえ。』
『まだ年も行かないのに、君はなかなか辛辣《しんらつ》だね、プリムロウズ、』と、ユースタスは彼女の批判のきびしさに驚いて言った。『でも、いくら意地悪の君だって、僕がマイダスの古い金をすっかり新しく磨き上げて、それを今までになく光らせたということは、十分わかるだろう。それから、メアリゴウルドの像なんかはどうだい! その辺がなかなかのお手際だとは思わない? そして、この話に含まれた教訓も、僕は大変うまく出して、それをまた深めたと思っているんだが。スウィート・ファーンやダンデライアンやクロウヴァやペリウィンクルの意見はどう? この話を聞いても、君達のうちには、何でも金にする力がほしいなんていうような馬鹿がいるかしら?』
『あたし、右の人さし指で何でも金にする力があって、』と十歳《とお》になる女の子のペリウィンクルが言い出した、『その代り、金にしたものが気に入らなかったら、左の人さし指で、もと通りにすることが出来るといいと思うわ。そしたら、今日のお昼からでも、早速やって見たいことがあるんだけ
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