像は出来るが、しかしこうして待っている間に、君の知ってるだけのことを話してもらってもいいね」
その年取った法衣姿の無頼漢は、無茶苦茶な悪口罵詈を浴びせかけて来た。
「覚悟しろよ!」
彼は叫んだ。
「もしお前が俺たちを裏切るなら、ボッブ[#「ボッブ」は底本では「ポップ」]・カラザース、お前がジャック・ウードレーに逢わしたと、同じ報をしてやるから、――お前があの娘に、心のたけの泣きごと云うのは、お前のことだからかまわないが、しかしこの私服刑事に俺たち仲間のことにまで口をすべらしたら、それこそお前が臍の緒を切ってから今までにやったことの中で、一番ひどい悪業だぞ」
「いや尊師よ、そう昂奮しては困りますな」
煙草に火をつけながらホームズは云った。
「この事件と君との関係は、もう十分明瞭になっている。私のききたいのは、ただ自分の好奇心の満足のため、少しばかり細々しいことを耳に入れたいだけなのだ。いやしかし、それは君の口からは話しにくいと云うことなら、僕の方から話してやろう。こんなことを秘密にしようたって、それはいかに、難しいかを、よく考えてみるがいい。まず第一にだ、君達は三人で、この獲物のた
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