かしその朝、またまた、日時計の上に、長いものを画いたものが乗っていたので、その写しをとって送ってよこしたのであった。それは次のようなものであった。
[#図5入る]
 ホームズは数分間の間、――この奇怪な帯模様の絵に見入っていたが、突然、驚愕と困迷の声を上げて起ち上った。その顔は不安のために全く色を失っていた。
「これはうっかりしてしまったかもしれない!」
 彼は云った。
「今夜これから、北ワルシャムに行く汽車があるかね?」
 私は時間表をくってみた。ちょうど最終列車が出たばかりのところであった。
「じゃ仕方がない。――あしたの朝早く朝食をすまして、一番列車に乗ろう」
 ホームズは云った。
「俺たちは出来るだけ早くゆかなければならない。これがすなわち待ち設けた海底電信なのだ。ちょっとハドソン夫人、また返事がいるかもしれませんが、――いやこれでよい、これでよい。この通信が手に入った以上は、いよいよ遅れてはならない。一時も早く、ヒルトン・キューピットに、この事を知らせてやらなければならない。これがすなわちあのノーフォークの先生を悩ましている、蜘蛛の網だからね」
 たしかに着々とその通りに進ん
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