いようとおかまいなしに、海の中へなげ込んだ。その中に一人、ひどく傷ついた下士官がいたが、彼は驚くほど長い間泳いでいた。が、誰かがその頭をうちぬいてしまった。こうして戦いは終って、今では私たちの敵は、番兵と助手と医者とをのぞいてはただの一人も、その船の中にはいなくなった。
と、そのとき大喧嘩が持ち上った。と云うのは、私たちの大部分は、私たちの自由を取り戻すことの出来るのを喜んではいたが、しかし人殺ろしをすることを望んではいなかった。ところが私たちは、一つ兵士たちを、彼等の持っている鉄砲でなぐりつけ、もう一つは、その部下たちを惨酷《ざんこく》にも殺ろす間、その側に立っていなければならないのだった。そのため私たち八人のものは、――犯罪人が五人と水夫が三人と、これだけはどうしてもそれは出来ないと云った。しかしそれは少しもプレンダーガストとそしてその仲間を動かすことは出来なかった。私たちの自由を獲得するただ一つの方法は、どこまでもこの計画をやり通して、跡に禍いの残らないようにすることだ、と彼は云った。そして彼は、後になって、証人などのために苦労することがないように、みんな銃殺してしまうつもりらし
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