グロリア・スコット号
コナンドイル
三上於莵吉訳

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)抽斗《ひきだし》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)五百|噸《とん》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから1字下げ]
−−

「僕、ここに書類を持ってるんだがね……」
 と、私の友人、シャーロック・ホームズは云った。それは冬のある夜のことで、私たちは火をかこんで腰かけていた。
「ワトソン君、これは君も一読しといていいものだろうと思うんだよ。そら例の『グロリア・スコット』の怪事件なんだが、それからこの手紙は、治安判事のトレヴォが、それを読んで、恐怖のため死んでしまった手紙なんだよ」
 彼は抽斗《ひきだし》から少しよごれた円筒形に巻いたものをとり出し、そのテイプをほどいて、灰色の半截《はんせつ》の紙の上に、ぞんざいな字で書いてある、短い文句の書いてある紙を、私に手渡した。
[#ここから1字下げ]
――ロンドンにおける、計画は、着々として、なされたり。主任、看視者、ハドソンは、蠅捕紙の命令の、すべてを、受くるべく、既に、予告
次へ
全47ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ドイル アーサー・コナン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング