か!」と彼が叫んだ。「条約を破るのはその時が来てのことだ。それまでは、奴《やっこ》さんの長靴にブランディーを塗って磨けと言われても、あの医者の奴をごまかしておくんだ。」
それから彼は火を焚きつけろと彼等に言いつけて、※[#「木+裃のつくり」、第3水準1−85−66]杖をついて、片手を私の肩にかけながら、傲然と外へ出た。得心させられたというよりは彼の口達者な弁舌に黙らされて、方々にばらばらになっている連中を後に残して。
「ゆっくりと、おい、ゆっくりと。」と彼が言った。「己たちが急ぐと見ようものなら、奴らはすぐにかかって来るかも知れねえからな。」 それで、ごくゆっくりと私たちは砂地を進んで、医師が柵壁の向側で私たちを待っている処の方へ行った。そして、容易に話の出来る距離まで来るや否や、シルヴァーは立ち止った。
「このことも書き留めておいて下せえまし、先生。」と彼が言った。「それから、この子があんたに話しますでしょうが、わっしはこの子の命を救ってやりましたし、そのために免職させられもしました。それにゃ違えごぜえません。先生、人間がわっしのように危《あぶね》えことまでやった時にゃ、――言わば
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