はこの子をこっち側までつれてゆきましょう。そうすれぁ柵越しに話が出来るでしょう。じゃ、さようなら、先生。それから大地主さんとスモレット船長によろしく。」
 これまではただシルヴァーの凄い見幕だけで抑えつけられていた皆の不平は、医師が小屋を出てしまうとすぐに爆発した。シルヴァーは、敵味方に二股をかけているとか――自分だけで別に和解をしようとしているとか――仲間の者たちの利益を犠牲にするとか言って、要するに、彼の正にやっている通りのそのことを、手厳しく非難された。今度は、それが実に明白であるように私にも思われたので、彼がどうして彼等の怒りを逸《そら》せられるか私には想像がつかなかった。しかし、彼は残りの者どもを一緒にしたより二倍ものしたたか者であった。それに昨晩の勝利は彼等の心を圧倒していた。彼は彼等に馬鹿だの間抜だのとあらゆる悪たれ口をたたき、私を医師と話させることは必要なのだと言い、例の海図を彼等の面先《つらさき》に振り※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]してみせ、宝探しに行くことになっているその日になって条約を破るなんてことが出来るかと尋ねた。
「いいや、そんなことが出来るもん
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