命をそっくり投げ出して向う見ずなことをやった時にゃ、――その人間に一|言《こと》くれえやさしい言葉をかけてやんなすっても、大方、さしつかえはねえとお考えでごぜえましょうな? 今はわっしの命だけじゃなくって――おまけにこの子の命にもかかわってるってことを、どうか覚えておいて頂きてえんで。で、先生、後生ですから、わっしに親切な言葉をかけて、ちっとでも望みが持てるようにしてやって下せえ。」
シルヴァーは、一度ここへ出て来て仲間の者と丸太小屋とに背中を向けると、人間が変ってしまった。頬までがこけたように思われ、声が震えていた。これほど真面目《まじめ》な人間は一人もないくらいであった。
「うむ、ジョン、お前は怖がっているんじゃないかね?」とリヴジー先生が尋ねた。
「先生、わっしは臆病者じゃありません。そうですよ、わっしはね、――そんな[#「そんな」に傍点]に臆病者じゃありませんとも!」と言って彼は指をぱちっと鳴らした。「わっしが臆病者ならそんなことは言やしませんや。だが正直に白状しますが、わっしは絞首台のことを思うとぞくぞくするんでさ。あんたは立派な正直な人だ。あんたみてえな立派な人は見たこと
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