」
「ジムだよ。」と私は言ってやった。
「ジム、ジム。」と彼はまったく喜んでいるらしく言った。「じゃ、ねえ、ジム、俺はね、お前さんが聞くと恥しがるくれえ乱暴な渡世をして来た男だよ。まあ、例えばさ、お前さんはこの俺に信心|深《ぶけ》え母親《おふくろ》があったとは思うめえ、――この俺を見てね?」と彼は尋ねた。
「いや、なあに、格別そうでもないがねえ。」と私は答えた。
「ああ、そうかね。」と彼は言った。「とにかく、俺にゃあそんな母親があったのさ、――素敵に信心深え母親がな。それに俺も行儀のいい信心探え子供だったよ。教義問答なんか、とても聞き取れねえくれえ早口に、ぺらぺら言えたもんだぜ。それがこういう有様になったのだよ、ジム。そしてこれも墓石の上で投銭戯《あないち》(註五五)をやったのが始まりさ! それが始まりだったが、それからだんだん深入りしたんだ。俺の母親は俺にそうなるって言ってたよ。何もかもすっかり言いあてたのさ、母親はな。信心深え女《ひと》だったなあ! だが、俺がこんなとこに置かれることになったなあ、神様の思召しだったよ。俺あこの淋しい島でそんなことをすっかり考えて来たんで、今じゃまた
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