信心深え男に返《けえ》ってるんだ。もうラムなんか決してあんなにたくさん飲みやしねえ。もっとも、初めてありつけた時にゃあ、もちろん、縁起にほんのちょっとくれえはやるがね。俺あ真人間にならなくちゃあならんし、その見越しもちゃんとついているんだ。それにね、ジム、」――とあたり中を見※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]しながら、耳語くらいに声を低めて、――「俺は金持なんだぜ。」
私は、その時、この男はこんな寂しいところに独りぽっちでいたために可哀そうに気が変になっているのだと思った。そして、その気持がきっと私の顔に現れたのだろうと思う。というのは、彼は躍起となってその言葉を繰返したから。――
「金持だぜ! 金持だってえんだよ! で、お前さんにいい話をしてあげよう。俺はお前さんを立派な男にしてあげるぜ、ジム。ああ、ジム、お前さんは自分の運勢を有難く思うようになるよ、きっと。何《なん》しろ、お前さんは俺を一番先にめっけてくれた人だからなあ!」
そして、こう言った時、突然彼の顔に不機嫌な影がさし、彼は片手に掴んでいる私の手を強く握ると、私の眼の前に嚇《おど》すように人差指を挙げた。
「とこ
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