ゆけるもんだねえ。だが、兄弟、俺は人間の食物《くいもの》がほしくってたまんねえのさ。お前《めえ》さんはひょっとしてチーズを一|片《きれ》持ち合していやしねえかね、え? 持たねえって? やれやれ、俺あ幾晩も幾晩も永《なげ》え夜《よ》うさりチーズの夢をみたよ、――大概《てえげえ》、炙《あぶ》った奴さ。――そしてまた目が覚めてみると、やっぱりここにいるのさ。」
「もしいつか僕がまた船へ乗れたら、君にチーズをどっさりあげるよ。」と私が言った。
この間中、彼は、私のジャケツの地質に触ってみたり、私の手を撫でたり、私の長靴を眺めたり、概して、彼の話している合間合間に、同じ人間仲間のいることに子供のような喜びを示していたのであった。けれども、私の最後の言葉を聞くと、彼はぎっくりとしたようにこすく顔を振り上げた。
「もしいつかまた船に乗れたら、ってお前さんは言ったね?」と彼は私の言葉を繰返して言った。「ふうん、すると、だれがお前さんの邪魔をするのかい?」
「君じゃあないことだけは確かさ。」と私は答えてやった。
「そりゃそうだよ。」と彼は叫んだ。「ところでお前さんは――お前さんは何ていう名だね、兄弟?
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