われ》ながら足《あし》が窘《すく》む。
婦人《をんな》は親切《しんせつ》に後《うしろ》を気遣《きづか》ふては気《き》を着《つ》けてくれる。
(其《それ》をお渡《わた》りなさいます時《とき》、下《した》を見《み》てはなりません丁度《ちやうど》中途《ちゆうと》で余程《よつぽど》谷《たに》が深《ふか》いのでございますから、目《め》が廻《まふ》と悪《わる》うござんす。)
(はい。)
愚図々々《ぐづ/\》しては居《ゐ》られぬから、我身《わがみ》を笑《わら》ひつけて、先《ま》づ乗《の》つた。引《ひつ》かゝるやう、刻《きざ》が入《いれ》てあるのぢやから、気《き》さい確《たしか》なら足駄《あしだ》でも歩行《ある》かれる。
其《それ》がさ、一|件《けん》ぢやから耐《たま》らぬて、乗《の》ると恁《か》うぐら/\して柔《やはら》かにずる/\と這《は》ひさうぢやから、わつといふと引跨《ひんまた》いで腰《こし》をどさり。
(あゝ、意気地《いくぢ》はございませんねえ。足駄《あしだ》では無理《むり》でございませう、是《これ》とお穿《は》き換《か》へなさいまし、あれさ、ちやんといふことを肯《き》くんですよ。)
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