瀧《をたき》に縋《すが》りつかうとする形《かたち》、それでも中《なか》を隔《へだ》てられて末《すゑ》までは雫《しづく》も通《かよ》はぬので、揉《も》まれ、揺《ゆ》られて具《つぶ》さに辛苦《しんく》を嘗《な》めるといふ風情《ふぜい》、此《こ》の方《はう》は姿《すがた》も窶《やつ》れ容《かたち》も細《ほそ》つて、流《なが》るゝ音《おと》さへ別様《べつやう》に、泣《な》くか、怨《うら》むかとも思《おも》はれるが、あはれにも優《やさ》しい女瀧《めだき》ぢや。
 男瀧《をだき》の方《はう》はうらはらで、石《いし》を砕《くだ》き、地《ち》を貫《つらぬ》く勢《いきほひ》、堂々《だう/\》たる有様《ありさま》ぢや、之《これ》が二つ件《くだん》の巌《いは》に当《あた》つて左右《さいう》に分《わか》れて二|筋《すぢ》となつて落《お》ちるのが身《み》に浸《し》みて、女瀧《めだき》の心《こゝろ》を砕《くだ》く姿《すがた》は、男《をとこ》の膝《ひざ》に取《とり》ついて美女《びぢよ》が泣《な》いて身《み》を震《ふる》はすやうで、岸《きし》に居《ゐ》てさへ体《からだ》がわなゝく、肉《にく》が跳《をど》る。況《ま》し
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