六日間
(日記)
與謝野晶子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)机掛《つくゑかけ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)八|峰《みね》の人形
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)云つて[#「云つて」は底本では「行つて」]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いよ/\
×:伏せ字
(例)××新聞社
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三月七日
机の前に坐ると藍色の机掛《つくゑかけ》の上に一面に髪の毛の這つて居るのが日影でまざまざと見えた。私はあさましくなつて、何時《いつ》の間にか私の髪がこんなに抜け零《こぼ》れて、さうして払つてもどうしても動かずに、魂のあるやうにかうして居るのかとじつと見て居た。さうすると落ち毛が皆一寸五分位の長さばかりであるのに気がついた。また昨日《きのふ》の朝八|峰《みね》の人形の毛が抜けたと云つて此処《ここ》へ来て泣いて居たのを思ひ出した。頭が重い日である。源氏の藤の裏葉を七枚程書いた処《ところ》へ、画報社から写真を撮《うつ》しに来た。七瀬と八峰が厭がつたから私と麟《りん》とだ
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