住吉祭
與謝野晶子

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)地車《だんじり》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)眉|刷毛《はけ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)きら/\として通つた
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 海辺の方ではもう地車《だんじり》の太鼓が鳴つて居る。横町《よこちやう》を通る人の足音が常の十倍程もする。子供の声、甲高《かんだか》な女の声などがそれに交つて、朝湯に入《はひ》つて居る私を早く早くと急《せ》き立てるやうに聞《きこ》えた。此処《こゝ》に近い土蔵《くら》の入口に大《おほ》番頭が立つて、
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
『真鍮の大《だい》の燭台を三《み》組、中《ちう》を五《いつ》組、銅の燭台を三《み》組、大大《だいだい》のおらんだの皿を三《さん》枚、錦手《にしきで》の皿を三十枚、ぎやまんの皿を百人前、青磁《せいじ》の茶碗を百人前、煙草盆を十個《とを》。』
[#ここで字下げ終わり]
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