《のち》に、わたしは屹度《きつと》、
「馬鹿《ばか》な亜弗利加《アフリカ》の僭王《せんわう》よ」
かう云《い》つて、わたし自身を叱《しか》り、
さうして赤面し、
はげしく良心的に苦《くるし》む。
大百貨店の閾《しきゐ》を跨《また》ぐ女に
掠奪者でない女があらうか。
掠奪者、この名は怖《おそ》ろしい、
しかし、この名に値する生活を
実行して愧《は》ぢぬ者は、
ああ、世界無数の女ではないか。
(その女の一人《ひとり》にわたしがゐる。)
女は父の、兄の、弟の、
良人《をつと》の、あらゆる男子の、
知識と情※[#「執/れっか」、290−下−14]《じやうねつ》と血と汗とを集めた
労働の結果である財力を奪つて
我物《わがもの》の如《ごと》くに振舞つてゐる。
一掛《ひとかけ》の廉《やす》半襟を買ふ金《かね》とても
女自身の正当な所有では無い。
女が呉服屋へ、化粧品屋へ、
貴金属商へ支払ふ
あの莫大《ばくだい》な額の金《かね》は
すべて男子から搾取するのである。
女よ、
(その女の一人《ひとり》にわたしがゐる、)
無智、無能、無反省なお前に
男子からそんなに法外な報酬を受ける
立派な理由が何処《
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