ぼん、
血に染《そ》むやうな赤ちよつき、
コツペが書いた詩の中の
人を殺した老鍛冶《らうかぢ》が
法官達の居ならんだ
前に引かれる痛ましさ、
足の運びもよろよろと……
おお、ムネ・シユリイ、見るからに
老優の芸の偉大さよ。
ミユンヘンの宿
九月の初め、ミユンヘンは
早くも秋の更けゆくか、
モツアルト街《まち》、日は射《さ》せど
ホテルの朝のつめたさよ。
青き出窓の欄干《らんかん》に
匍《は》ひかぶされる蔦《つた》の葉は
朱《しゆ》と紅《くれなゐ》と黄金《きん》を染め
照れども朝のつめたさよ。
鏡の前に立ちながら
諸手《もろで》に締むるコルセツト、
ちひさき銀のボタンにも
しみじみ朝のつめたさよ。
伯林停車場
ああ重苦しく、赤|黒《ぐろ》く、
高く、濶《ひろ》く、奥深い穹窿《きゆうりゆう》[#ルビの「きゆうりゆう」は底本では「きうりゆう」]の、
神秘な人工の威圧と、
沸沸《ふつふつ》と迸《ほとばし》る銀白《ぎんぱく》の蒸気と、
爆《は》ぜる火と、哮《ほ》える鉄と[#「鉄と」は底本では「鉄ど」]、
人間の動悸《どうき》、汗の香《か》、
および靴音とに、
絶
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