立ち、咽《む》せ返る
夏の都を越えながら、
汚《けが》れず、病まず、悲《かなし》まず、
信と勇気の象形《うらかた》に
細身の剣と百合《ゆり》を取り、
ああ太陽よ、悠揚《いうやう》と
秋の野山に分け入《い》れよ、
其処《そこ》にそなたの唇は
黄金《きん》の果実《このみ》に飽くであろ。


    雑草

雑草こそは賢けれ、
野にも街にも人の踏む
路《みち》を残して青むなり。

雑草こそは正しけれ、
如何《いか》なる窪《くぼ》も平《たひら》かに
円《まろ》く埋《うづ》めて青むなり。

雑草こそは情《なさけ》あれ、
獣《けもの》のひづめ、鳥の脚《あし》、
すべてを載せて青むなり。

雑草こそは尊《たふと》けれ、
雨の降る日も、晴れし日も、
微笑《ほゝゑ》みながら青むなり。


    桃の花

すくすく伸びた枝毎《えだごと》に
円《まろ》くふくらむ好《よ》い蕾《つぼみ》。
若い健気《けなげ》な創造の
力に満ちた桃の花。

この世紀から改まる
女ごころの譬《たとへ》にも
私は引かう、華やかに
この美《うつ》くしい桃の花。

ひと目見るなり、太陽も、
風も、空気も、人の頬《ほ》も、
さつと真赤《
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